08/07/18
こんにちは、プロデューサーの高宮です。
随分と間が空いてしまいましたが、久々の更新です。
今回、「ドラマCD 罪滅し編」のエンディングテーマとして発表した、
「あの日、あの場所、全てに『ありがとう』」をシングルとして発売いたします。
更に新曲として圭一の固○結界をモチーフにした、「Overload」をご用意いたしました。
一応、サンプル曲としてMP3データを「ここ」に用意しましたので、
ご参考までにお聴きいただければと思います。
なお、途中の圭一の固○結界の台詞は竜騎士さんに書き下ろして頂きました。
今回は、1番のみですが、フルで聴いたときのインパクトは相当のものがあります。
圭一が後半に行くに従いテンションがおかしくなっていくので、
楽しんで頂ければと思います。
それと、ボーナストラックとして、
「あの日、あの場所、全てに『ありがとう』」の
「羽鳥風画」さんと「bAsHEE」さん、各々によるアレンジ版を
1曲づつ収録いたします。
お二人による、新生された「あの日、あの場所、全てに『ありがとう』」を
是非、ご堪能下さい。
また、今回のジャケットイラストは、TTTのミハルさんにお願いしました。
http://www18.ocn.ne.jp/~ttt98/
とあるジャンルで、非常に人気の高い作品を提供している作家さんです。
「ひぐらし」がとてもお好きであるとの事で、
ジャケイラスト作成をお願いし、快諾して頂きました。
この場を借りて改めて、お礼申し上げます。本当にありがとうございました。
閑話休題。
さて、原作の罪滅しのラスト曲、「ZERO」を変更した事で
色々と物議をかもした「あの日、あの場所、全てに『ありがとう』」ですが、
あの曲を最後に入れたのはちゃんとした演出意図があっての事ですが、
中々伝わりづらかったようです。
正直蛇足極まりない話ではありますが、既に発売から暫く経っていることもあり、
ちょっと話をさせてください。
圭一が「主人公」である話はこの「罪滅し編」で終わっている事から、
「罪滅し編」に圭一ボーカルによるED曲を入れることは最初から考えていました。
その意図は、『最高だけど、最悪になる曲』である事。
罪滅し編のエンディングの圭一が月に吠える時点では誰一人として失っていない
「未来に希望のある」瞬間です。
ですが、ご存知の通り、すぐさま雛見沢大災害による最悪のオチが待っています。
(なお、Tipsの配置をわざと変えたのは、続きとして聴いて頂きたかったからです)
その落差を演出する為に最高の瞬間を歌わせたい。
未来があると歌いながら、次の日には全滅している。
という悪辣極まりない落差を演出する意図があった為です。
(これは、竜騎士さんにもお伝えしてあります)
その曲として正しく適当であると思ったのが、
「あの日、あの場所、全てに『ありがとう』」でした。
オチの落差を最大限に演出できるツールとして配置したのですが、
どうも、「ネットで話題になっている2次創作の曲を圭一のボーカルでアレンジした」
という話題だけが先行してしまっている感があり、意図が正しく伝わらなかったようです。
これは、私のミステイクです。申し訳ございません。
それでも、「ZERO」が聴きたかったという方々には、
逆鱗に触れる覚悟でお伝え致しますが、「ZERO」はフリーの曲なので、
まず、煉獄庭園さんから、「ZERO」をダウンロードして頂き、
その後、ドラマCDの内容を、MP3等でデータ化し、
最後の曲を入れ替えて頂けるでしょうか?
これで、EDだけは、ゲーム本編と同じになると思います。
それと一番重要なお話として、
「皆殺し編」の発売スケジュールですが、
正直、まだ未定としか申し上げられない状況です。
その理由は、ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、私が「Fate/Zero」
という作品のドラマCDの製作に関わっている事が原因です。
「Zero」のお仕事をお引き受けした時は、
多少は「ひぐらし」の製作スケジュールの遅延が発生するだろうという
甘い見通しでしたが、「Zero」の作業比重が予想よりも多く、
「皆殺し編」ドラマCDの製作スケジュールを再度見直す必要があり、
現状いつ発売と、お答えする事は出来ない状況です。
ですが、絶対に発売中止に至らせる事はありません。
恐れ入りますが、お時間をいただけば幸いです。
少し昔話をさせてください。
忘れもしません。2002年4月26日
場所は東京の秋葉原に程近い「ひよこ家」というメイド喫茶。
ここで、とあるクリエイターの対談が行われました。
それが、「奈須きのこ」さんと、「虚淵玄」さん。
丁度その頃、私は以前の会社で、プロデューサー件、監督として
「空の境界」のドラマCDの制作を行っており、
そのブックレットに記載する内容として、
奈須さんと虚淵さんの対談を企画しました。
当時「月姫」を発表されていた奈須さんと、
「ヴェドゴニア」「鬼哭街」を発表されていた虚淵さんの対談は、
お互いがお互いの作品のファンであったという事もあり、
初対面にも関わらず、大いに盛り上がりました。
そして、対談終了後、
奈須さんと一緒にその場にいらしていた「武内崇」さんも話に加わり、
桃園の誓いよろしく、お三方の関係はそこから始まりました。
(そして、現在も仲の良い関係が続き、「Fate/Zero」
という作品を発表するのは皆さんの周知する所)
その後も、「空の境界」のドラマCDの作成は順調に進んでいたのですが、
社長が「作品」を軽んじる事に口論となり、私はドラマCDの完成を待たずに、
その会社を辞めざるを得ませんでした。
(よって、ドラマCDのブックレットに、私の名前は記載されていません)
そして、ドラマCD発売の後、自腹で購入し、内容確認の為、
CDを聴いたのですが、その淡白な出来に愕然とし、自分が最後まで
関わっていればと、悔しさに涙しました。
なまじ、自分がプロデュースする「最初の作品」だっただけに、
その悔しさは筆舌に尽くしがたいものでした。
そしてその時に誓ったのです。
「今後、もし彼らの作品に関わる機会があるならば、
絶対に他の人に預ける事などしない―――」
と。
その後、自分が数多の作品に関わって行った事もあり、
いつしか「他のクリエイターたちの作品に関わる機会があるならば―――」
というグローバルな視点に変わってますが、
あの時の志は今でも失っていません。
竜騎士さんにも大変お待たせしている事を
ひたすら謝り続けている状況ではありますが、
自分の関わる作品は、絶対に良い作品に仕上げる、
その意思があるからこそ、「皆殺し編」作成完了まで、
お時間を頂ければと思います。
スケジュール等、建て直しを行い、確定いたしましたら、
改めてご連絡いたしますゆえ、恐れ入りますが、
もう少々お時間を頂ければ幸いです。
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